2018.01.05 (fri) – 2018.01.14 (sun)
OPEN 12:00~18:00
※1/10(水)休廊
1月13日(土)15:00より新年会をギャラリーにて開催いたします。
お気軽にお越しください。
現在、この展覧会は終了しています。
B10という最小規格サイズの世界
我々の生活の中には一定の基準というものが存在します。 それは目に見えない事象・行動・思考に対して存在する法規や、 ある一定の環境下における慣例や独自のルール等、又、目に 見える部分では様々な標準値というものの取り決めがあります。
つまり我々はそういった目に見える見えないを別にして、 ある種の枠組みの中で生活しています。それは国内基準もあれば 国際的な基準も存在します。
特に、我々が生業としている“芸術”の世界ですが、元来 “自由な表現”とイメージしがちですが、、、実はかなりの部分 が数値で枠組みされている事に気付いているでしょうか?
例えば平面作品においては、そのほとんどがサイズというものの 枠内で表現活動が行われています。又立体に於いても、制作上 様々な道具及び展示においても基準的なサイズがあり、知らず 知らずにその枠内で物事を進めています。
ある意味、冷静な見方をすれば、それらの基準と言うのはある種 の合理性=経済性=生産性から割り出されたものであり、我々の 仕事も実はその枠組みの中で消化消費されていることに気付かさ れます。
良いか悪いかは別にして、現実我々の活動も社会の生産性の中で 担保されているという事に他ならないと言うことです。又、別の 考えの中で思考した場合、ある意味、現実視認できる事物は全て 物理学上の計算値の上に成り立っており、感情と言う側面を除けば、 世の中は全て“数値の森”であると見えなくもありません。
法規においても、その殆どが、道徳的感情・歴史的経験の積算と いえども、その結論は刑期や罰金・賠償額等、数値化して社会へ 因果関係の結果を報告します。
皆さんがもっとも関わる数値とは、極論ですがサイズだと感じませんか? ある意味自由な心象の具現化という仕事をしていたとしても最終的には、 このサイズという枠との関わりが濃密であると言わざるを得ません。
今回の企画はその部分を逆手に考えて起案しています。 平易に言えば、いくら何と言っても芸術もサイズの中の出来事=数値の森 の中の記憶。
あえて、サイズと言うものが厳然と存在する社会の可視化を根底に 据えた点をコンセプトとしています。
そこでB10サイズという事ですが。我々の仕事のサイズ、例えば絵画では FMPSというサイズが存在しますが、それはあくまでドメスティックな 環境下でのサイズでしかなく、一般的ではありません。それよりも、 同じ平面の基準サイズで日常頻繁に登場するのがAというラインと Bというラインです。
実は調べるとこのA・Bのサイズは非常に面白い事が分かりました。
日本で使用されている紙のサイズは、大きく分けてA判とB判の2つが あります。A判は 世界各国で使われている国際規格(ISO)ですが、 B判は日本独自規格(JIS)です。公官庁では、長い間B判の使用を 原則としてきましたが、1992年11月の各省庁事務連絡会議の申合せ (「行政文書の用紙規格のA判化に係る実施方針について」)に基づき、 1993年4月から行政文書のA判化を計画的に推進し、1997年には行政文書 の100%がA判化したとしています。
つまり、ついこの間決まったと言うことです。もう一つ面白いのは、 所謂現代やたら騒がれている、グロバリゼーションという国際化の起点 との関わりが非常に高い点です。
B判は日本独自規格であり、江戸時代に徳川将軍家の御用紙であった 美濃紙のサイズがルーツとなっています。 明治政府が公文書は江戸 時代の美濃紙(B判)サイズを引き継ぎ、戦後も日本工業規格(JIS)が 「帳簿類の寸法はB判を原則とする。」と定めていたことなどから、 1980年代までは国の文書の9割がB判でした。
A列はISOと全く同じだが、B列はISOと寸法が異なるローカル規格と なっており、国際規格とは互換性がない。JIS B列は殆ど日本・中国・ 台湾の三国のみで使われている。
但し、国際規格はA列のみかといえば?そうではなくB列も存在します。 ただJIS日本の規格とは違うサイズになります。
因みにISOのB10は31×44㎜でJISのB10は32×45㎜。
僅か、、、1ミリづつの違いです。
日本のB列は「ルート長方形」という数式から割り出され、縦横比率が 「白銀比」と呼ばれる「縦:横=1:√2」となっており、どこまで半分 にしても同じ形、相似形の長方形です。古来より美しい比の形として 好まれてきました。
国際標準規格ではない、日本独自の標準規格、その狭間(僅か1ミリ) に存在する、規格サイズの“最小”で作品を制作してもらうと言うのが 今回の主旨です。最小のあえて歴史的に意味ある標準規格サイズの中で どれくらい大きな世界を謳えるか!