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2024.04.22 [Schedule] M's exhibition
早崎雅巳 Experiment exhibition
Green Salamander
2009.09.18 (fri) - 2009.10.16 (fri)
現在、この展覧会は終了しています。
サンショウウオは英語ではサラマンダー・火の精とよばれ砲火の下をくぐりぬける勇敢な軍人に喩えられるらしい。私が描く男性器を思わせるようにアレンジしたサンショウウオは英語圏で言われるほど力強いものではなく、大人しく傍観し様子を伺う存在です。私の描く緑の植物は、クズ・ハゼ・アカメガシワ・ネムノキ等であり、いずれも日本に広く自然に自生し、したたかに生息域を拡大する植物たちです。特に好んで描くクズは”ほふく”するが如く目の前に現れる障害物に四方から覆い尽くし、相手の成長や自由を阻害させる。それらの生物たちは、私が描くジェンダーを曖昧にしたキャラクターの肢体に絡まりつき、さらに衣服のように変容した木の幹が四肢にまとう。これらキャラクターは、共存・同化し性を超えた生への執着のメタファーである。(早崎雅巳) 今展はアーティスト早崎雅巳のExperiment exhibition実験展であります。人が社会によって様々に背負わされた属性。他の属性からの視線によって形作られた主体なき自らの姿。彼の描くサンショウウオと逞しい生命力を誇示する植物、ジェンダーの曖昧なキャラクターたちが一つと成り不可思議な生き物へと変容していく光景は、現代社会に生きる我々全てに背負わされた様々な属性を取り払い、何物にも縛られない一個の生き物へと昇華する在り様を提示しているかのようです。閉塞していく社会の中でその極度に緊張した我々の感受性を溶解させるべく早崎雅巳の挑戦はここから始まります。 (Program Director 上山潤)
Blue Bear Art Project+COMBINE Installation
「さよなら あおぞら」vol.1
2009.07.16 (thu) - 2009.08.28 (fri)
現在、この展覧会は終了しています。
 BAMI galley では初めてとなるインスタレーション企画を開催いたします。ブルーベアーアートプロジェクトこれがアーティスト名です。 本名・八塚誠37 歳愛媛大学教育学部を卒業後、現在愛媛県山間のみかん農家で日々モクモクと一人働いております。彼のインスタレーションは見せて終わりではなく、見て触れて感じてもらうことをコンセプトに、「ココロのカタチ」をテーマに展開されます。彼が手作りで産み出した青熊のぬいぐるみはあたかも生きたような鼓動がし、ギュッと抱きしめればなにかを感じざるを得ない感情がこみ上げてきます。その青熊が今回ココロのカタチを探してBAMI gallery にやってきます。そこで今回我々のBAMI gallery スペースは、誰しもが経験したはずなのに記 憶から消し去られた“子宮”の羊水のような空間、知識も経験も正も悪もないただ“たゆたう”空間を目指します。会期中出来る限り、小さな子供にも来て見て触れて感じてもらいたいと考えております。ココロのカタチ、子供にはそのカタチの見えるものが潜んでいるのではないか?子供ほど完璧な人間はいないのではないだろうか?と考える我々は今回の展開を通じ子供に教えてもらおうとも思っております。 司馬遼太郎さんが晩年語った「この国のかたち」、これは国土の広さでもなければ人口でもない、この国に住む過去・現在・未来の人間達のココロのカタチを問いつづけてきたものだったのではないでしょうか?一人一人のココロのカタチ、それがまとまった国のココロのカタチ。 いまトテツモナイ閉塞感を抱える我々が再度素直に正直に向き直さなくてはいけないテーマなのではないでしょうか?今回+COMBINE とダブルネームとしたのは、今回1 回だけの展開ではなく、引き続き我々もブルーベアーと一緒にココロのカタチを探す決意を示しました。アートという現代を生きる人間のココロを映し出す世界を追求する我々もブルベーアーと同じくココロのカタチを探して行きたいと考えております。(Program Director 上山潤)
鵜飼 容子×永吉 友紀 joint exhibition
此岸/彼岸
2009.06.09 (tue) - 2009.07.10 (fri)
現在、この展覧会は終了しています。
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彼方の岸を「彼岸」と呼び、こちらの岸辺を「此岸」と呼ぶ。いずれにしても此方を主体とした呼び方である。しかし芸術表現は時として、彼方の岸から此方の岸の情景を見せることも出来れば、此方の岸から軽々と彼方の岸へ飛躍しその情景を見せることも出来る。それはあるときは人間の煩悩世界へ没入した客観的風景となり、又、あるときは煩悩から解脱した虚空の風景となる。芸術表現とは彼岸と此岸の間に横たわる大河であり、それぞれの風景を垣間見る窓のような存在だと考えられます。そこから我々は目に見えない時空の存在と一個の肉体が入滅する瞬間を想うことが出来、初めて死を起点とする生への執着と“たゆたう”儚さを感じることが出来るのだと考えるのです。 (Program Director 上山潤)
渡辺政光 Solo Exhibition
「間」
2009.05.11 (mon) - 2009.06.05 (fri)
現在、この展覧会は終了しています。
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何もないのだけど何かある。 時間や空間を感じる時、あるのだけれどないもの。例えば鹿おどしは、一度音を立ててから再び音を立てるまでの「間」が「時間の流れを感じさせる」動きと動きのあいだには静止し次の動作に移るタメがある。それが「間」であり時間がより引き立つように感じる。茶道においても点前の一つの動作のあいだに一呼吸半の「間」をとる。この「間」によって客との呼吸を合わせコミュニケーションをとることができる。その場は白でも黒でもない、白と黒とを結ぶシームレスな空間が存在する。 今回の展示では版画のシルクスクリーン技法を使用して制作いたしまいた。是非ご覧ください。
永吉友紀 Solo Exhibition
「皇國の乙女」 ものいはぬもののかたち
2009.04.02 (thu) - 2009.04.30 (thu)
現在、この展覧会は終了しています。
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廿世紀前半、戦前、戦中を生きた乙女達。 彼女達は激動の社会に流され、あらゆる犠牲を強いられる。 望むべく将来をもぎ取られ、在るべき姿を強要された。 彼女達に嘱望されたのは、不穏な情勢の日本及び大陸各所で 貞淑な妻、従順な娼婦として生きること。 私の作品はそんな彼女達の姿を、ごく抽象的なイメージとして 捕らえ図像化している。 深い運命を背負った乙女達に思いを馳せ、 その哀しみや空虚感の一旦を感じていただきたい。